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段ボールの軽量化とリサイクル

様々な商品が多種多様な容器包装で供給される利便さの反面、それらが家庭ごみの排出量の増加に拍車をかけ、一般廃棄物の最終処分場が逼迫してきました。
その対策として、家庭から排出される容器包装を資源として有効に利用することを目的とした容器包装リサイクル法が1997年4月に施行されました。

今日、容器包装の削減(Reduce)、再使用(Reuse)、リサイクル(Recycle)、いわゆる容器包装の3R(スリーアール)は、事業者が対処すべき緊急の課題となっています。段ボールの3Rは、主としてリデュースとリサイクルの二つの分野で推進されています。

段ボール箱のように、多種多様な商品の物流条件に合わせてオーダーメイドされ、商品とともに国内のみならず海外へも広く流通し、商品を取り出した国で段ボールの原料として再生利用される容器包装は、その特性に応じたリデュースとリサイクルの2Rを推進することが効果的です。わが国の紙のリサイクルの歴史は古く、平安時代にまでさかのぼると言われています。当時、紙は非常に貴重なものであり、使用済みの紙を古紙として収集して再生利用する手法が生まれ、今日までそれが受け継がれてきています。

段ボールは、紙製の容器包装の中でも特に、そのリサイクルシステムが完備しているものの一つであり、段ボール原紙の生産が始まって間もない昭和初期には、既に、原料としての古紙の流通システムが確立されつつあったと考えられます。

[1]段ボールのリデュース(軽量化)

段ボールは、保管・輸送時の積み上げ段数、輸送方法と距離などの要件に応じて個々に設計されるため、リデュースは原単位(1m²当たりの質量)で把握されています。
段ボールの軽量化は事業者間の合理化努力により進められているが、近年、個々の物品の容器包装の薄物化・軽量化が進むとともに、それら商品を流通過程で保護する段ボールは、逆に重量化するという新たな課題に直面しています。

[2]段ボールのリサイクル

段ボールのリサイクルは、確立されたリサイクル機構により効率的に推進されています。
工場、量販店、小売店などから排出される段ボールは回収業者により直接回収が行われ、家庭から排出される段ボールは行政回収や集団回収による回収が行われています。そして、専門業者により選別・圧縮された段ボール古紙は、国内市場のみならず国際的にも段ボール原紙の主原料として利用されており、段ボールの回収率は既に90%を超えています。

[3]板紙の古紙利用率

段ボール原紙の主原料は段ボール古紙ですが、その他に雑誌、茶模造紙、台紙・地券・ボール、新聞など、様々な古紙が使用されています。段ボールの表面に使用するライナは、その強度を維持するために表層に一部クラフトパルプなどを使用しています。
段ボール原紙を含めた板紙全体では、古紙の利用率は約93%に達しています。

使用済み段ボールは、世界各国で段ボール原紙の主原料として利用されている国際商品です。製紙原料とし使用困難な異素材を混入させない段ボールの高品質リサイクルを推進するために、分別を容易にする段ボールのリサイクルマークを積極的に表示することが望まれます。
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